Interview
今年のエリザベート王妃国際音楽コンクールで優勝し、世界から注目を集めるチェリスト、エットーレ・パガーノさん。初来日公演を前に、今回のプログラムに込めた思いを伺いました。
エットーレ・パガーノが語る、今回のプログラムとその魅力
まず、このプログラムはとてもバランスの取れた構成になっていると思います。
今回演奏する作品のいくつかは、エリザベート王妃国際音楽コンクールでも演奏した曲です。ですから、日本の皆さんにも、僕がベルギーで経験した音楽の一端を感じていただきたいと思いました。
このプログラムは、時代をさかのぼりながら、ロシア音楽のさまざまな音楽言語を巡っていく、いわば「歴史の旅」でもあります。
ストラヴィンスキーは、コンサートの幕開けにぴったりの作品です。ペルゴレージのアリアなどから着想を得ているため、18世紀イタリアの音楽を思わせる響きがあります。そしてシュニトケでは、まったく異なる世界へと一気に連れて行かれます。そこにあるのは、謎めいた、型にはまらない、調性音楽の限界すれすれを行くような独特の世界です。
ラフマニノフは、このプログラムのいわば「メインディッシュ」です。チェロの レパートリーの中でも最も重要な作品のひとつであり、チェロとピアノの音楽的な結びつきを、彼ほど豊かに描き出した作曲家はいないと思います。
マルティヌーは、僕がとても好きな作品で、言うならば「最後に添えられたチェリー」のような存在です。コンサートを締めくくるのにふさわしい作品で、ひとつの曲の中に二つの異なる音楽言語が共存しています。ロッシーニの抒情性と、マルティヌー独特の型破りなリズムです。
全体として、このプログラムのバランスがとても気に入っています。そして、それぞれの作品のどこかに、ほんの少しずつ「イタリアの香り」が感じられるところも好きです。

チェリスト:エットーレ・パガーノ
「このコンサートは、未知の世界への旅」
今回のコンサートをどのように楽しんでいただきたいですか?
このコンサートは、思いもよらないほど魅力的な、未知の世界への旅です。
もし僕自身がこのようなコンサートを聴くとしたら、席に座って、頭の中にあるさまざまな考えをいったん手放すと思います。
そして、人間が――ある意味では動物としても――本能の奥深くに持っている、最も純粋で原始的な「音楽を感じる感覚」だけに集中したい。
特にシュニトケでは、まるで現実そのものが宙に浮き、一時的にその感覚から解き放たれるような、不思議な浮遊感を味わっていただけるのではないでしょうか。
私にとって、今回が初めての日本公演です。日本の皆さまにお会いできることを、とても楽しみにしています。ぜひ、演奏会にお越しください。




当日券は各会場開演1時間前より販売。
一般4,500円(神戸公演)5,000円(東京公演)
学生(大学生以下2,000円)
