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Interview

ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール2025で優勝および聴衆賞を受賞したアリスト・シャムさんに、5月8日、11日に開催されるリサイタルに向けて、お話を伺いました。

今回が日本初リサイタルとなりますが、来日にあたってどのようなお気持ちや期待をお持ちですか。

これまで観光や休暇で何度も日本を訪れてきましたが、その美しい文化、親切な人々、そしてもちろん素晴らしい食べ物が大好きです。また、これまで日本の音楽ファンの皆様から多くの温かいメッセージをいただいており、日本の聴衆は世界でも特に温かく、音楽への理解が深いと感じています。クラシック音楽を心から愛する皆様に、自分の音楽と芸術をお届けできることをとても楽しみにしています。

また、リサイタル以外では、日本の短編小説をいくつか手に入れたいと思っています(残念ながら翻訳で読むことになりますが、村上春樹、安部公房、川上未映子などの作品を楽しんできました)。そして食事も楽しみです(すき焼きや天ぷらから明太子やウニまで!)、さらに温泉も楽しみにしています。

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ピアノ:アリスト・シャム

​プログラムについて

バッハ、ラヴェル、ブラームスの作品がプログラムに並んでいますが、この組み合わせにはどのような芸術的意図やインスピレーションがあるのでしょうか。

私は、宇宙のリズムから生まれる音楽、つまり私たちの世界やその先にあるエネルギーや力を反映する音楽を愛しています。バッハ、ラヴェル、ブラームスはいずれもそのような意識を持ち、人間の感覚を高める音楽を書いた作曲家です。同時に、この3人はそれぞれ全く異なる視点を持っているため、その多様なレンズを通して互いに補完し合う豊かな世界観を楽しむことができます。

プログラムの核となるのは、ブラームスの《クラヴィーア小品集》と、それに続く壮大で若々しい《ピアノ・ソナタ第1番》です。私自身の選んだ小品集では、成熟したブラームスの芸術性を示し、その後に彼の作品1番であるソナタへとつなげています。そこには、すでに彼の音楽的個性の芽が力強く、瑞々しく表れています。
 

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​ブラームスについて

ブラームスは私の最も好きな作曲家です。なぜなら、私が音楽に求める要素――人生を超越するほど豊かな感情と表現の世界、そして卓越した作曲技法と構造の完璧な融合――を最も体現しているからです。

彼は初期作品の段階からすでに、世界の本質や宇宙的なスケールの哲学的思考を深く理解しており、それが彼の音楽を世界中の人々の心に響かせています。

ブラームスのピアノ・ソナタ第1番には、ブラームスの純粋で飾らない天才性が表れています。非常に野心的な作品であり、4楽章を通して壮大なスケールを持つ、いわば「ピアノのための交響曲」とも言えます(特に第1楽章の複雑な展開部は印象的です)。また、作曲当時の楽器の限界を押し広げるような書法も見られます。

その根底には、世界の哲学的・感情的な深みを表現したいという強い意志があり、同時に若者が抱く野心や希望、夢、 そして不安といったものも探求されています。
 

​経済学と音楽に共通すること

音楽以外にも幅広い学問を学ばれていますが、そうした経験は演奏や作品解釈にどのような影響を与えていますか

私は、人が経験し学んだすべてのことが、最終的には創造に影響を与えると信じています。そのため、  教育や日常生活の中で、できる限り多くの分野について学び、自分の音楽に多様な視点と豊かなアイデアを取り入れたいと考えています。

専攻は経済学でしたが、リベラルアーツ教育の中で歴史、言語、科学、写真など幅広く学びました。   経済学と音楽に共通するのは、どちらも明確な構造や体系が必要でありながら、最終的な解釈は自由で非常に人間的なものであるという点です。そして真の自由を得るためには、その基盤となる構造を深く理解することが不可欠です。

68c43bedbc71fa38df51ab03_Aristo Sham 5 CREDIT Lisa-Marie Mazzucco _ The Cliburn.jpg
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世界各地で演奏される中で、ピアニストとして最も大切にしていることは何ですか。

もちろん、音楽を分かち合うこと―それは私たちにとって特別なものですし、世界中の聴衆と出会えることも大きな喜びです。私の音楽を通して、日常では得られないような特別な体験を届けられたらと思っています。
 

そして何より重要で充実感をもたらしてくれるのは、音楽そのものです。

ひとつひとつの音、和声、音程、音同士のつながりを愛することで、音楽に向き合うエネルギーが生まれ、自分自身の世界を深めていくことができます。

そこには無限の可能性があります。

​音楽の役割について。
世界が不安定な状況にある今、音楽は個人や社会にどのような役割を果たすと思われますか。

音楽の役割は、時代の始まりから変わらず、人と人とを結びつけ、心を高めることにあります。

そして音楽の素晴らしさは、言語や文化、国境を超えてそれが可能であるという点です。

力のある音楽は、私たちの身体に直接響きます。

 

音楽は人間の表現や言語から自然に生まれるものであり、存在しないことはあり得ません。                     

だからこそ、音楽を楽しむ 体験を通じて、私たちは違いを忘れ、より大きな人間としての共通の体験を分かち合うことができると信じています。
 

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​当日券は各会場18時より販売。  一般6,600円

学生(大学生以下2,000円)

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